お顔のシワは、あなたが泣いて笑って懸命に生きてきた証

昔、篠ひろ子さんという女優さんがいました。
マダム世代の方は、ご存知だと思います。
彼女は笑った時の目尻のシワが、とても美しくて魅力的な人でした。
篠さんの男性ファンには、この笑いジワがタマラナイという方が
少なからずおられたように思います。
作家の伊集院静さんとご結婚されてからは、
すっかり芸能活動からは身を引かれた感じの篠さんですが、
女性の美しいシワ、というと、私はまず篠ひろ子さんの
あの飾らない笑顔が目に浮かぶのです。
女性のシワも、美しさや魅力になりえるんだなぁ、と、
篠さんの笑顔を見ながら、私は思ったものです。
芸能界で活動する限り、年齢とともに移りゆく姿を、
常に大衆の目にさらされる芸能人の方々。
もちろん芸能人であれば誰しもカメラ映りというものを考えますから、
人一倍、スキンケアやエイジングケアにも気を使われるでしょうけど、
どの程度までエイジングの問題に対処するかは、やはり人それぞれです。
どんなアンチエイジング法を施しているのか、
幾つになってもシワもたるみもほとんど無いような、
ピン!とハリのあるお肌をキープされている女優さんやタレントさんがいます。
もちろん一般人の感覚からすると不思議なほどの若さですが、
何より人目に触れる職業ですから、美意識は低いよりも高い方が良いに決まっています。
芸能人の中には年齢を重ねると、どっと老けたり、ブクブクに太ったりして、
若き日の面影すらないザンネンな姿になる方もたま~にいますが、
もしそれが好きな芸能人の方だったりしたら、ちょっとガッカリしますよね。
一方、がんばりすぎない、もっと自然体なエイジングケアで、
美しく優雅に歳を重ねている芸能人の方もいます。
先日テレビでお見かけした、女優の高橋惠子さんや、歌手の中尾ミエさんなどは、
まさにそのようなタイプの方々でした。
現在around60の高橋さんも、around70の中尾さんも、
やはり笑った時の目尻のシワがとても魅力的なのです。
年齢とともに積み重ねた人間としての深みが、
お2人のシワをも美しくしているように思えました。
何というか、中高年になってもシワもたるみもないような肌を保っている方よりも、
目尻のシワもシミもほうれい線も、それなりに受け入れている方々のほうが、
人間味があって、表情も自然で豊かな印象がありますね。
人生の喜怒哀楽を表情に出して、存分に味わっているように思います。
シワは笑っている時だけに刻まれるものではありません。
苦しい時や悲しい時にも、シワは刻まれます。
私の眉間には、結構クッキリしたシワが4本あります。
ゴルゴ13か!と思っちゃいますが。(笑)
この眉間のシワ、30代の頃には既に刻まれていました。
そんなシワが刻まれるほど、若い頃の私の人生が苦難に満ちていたのだろうか?と、
思わずふり返ってみましたが、まぁもちろん人並みに苦しい時期はありました。
加えて軽度の近視のせいで、遠くのものを見る時に、
つい目を細めて見てしまうクセとか、
見かけによらず繊細で神経質な性格なども影響して、
いつのまにかこの眉間のシワは刻まれたものと思われます。
とにかくそんな訳で、この眉間のシワは年季が入っているので、
どんな化粧品を塗ったところで、消えやしません。
男性ならば眉間のシワは、苦み走った魅力にもなるのでしょうが、
女性の眉間のシワは、単にコワイ印象になりかねません。(笑)
なので当然のこと、私は自分のこの眉間のシワが嫌いだったのですが、
40代の時にお付き合いした男性に、ある日こう言われたのです。
「君のその眉間のシワは、君がこれまで一生懸命に生きてきた証だね」
…まぁ今聞くと、何と歯の浮くセリフだろうかとも思いますが、
正直、私はこの言葉に救われたのです。
ああ、そうか、シワっていうのは、
私がこれまで生きてきた喜怒哀楽を刻んでいるのだな…と。
これ以降私は、この眉間のシワを、自分の中で受け入れたように思います。
よく40歳を過ぎたら自分の顔に責任を持て、とか、
顔は履歴書だとか、どうせなら美しいシワを刻もうとか、
色々いわれますよね。
ただ人生は、笑いジワだけ刻めるようなことばかりではありません。
苦しいことも、悲しいことも、時には憎しみや怒りを感じることもあるでしょう。
これまであなたがどんな感情を抱き、どんな表情をしてきたのか。
顔のシワはその歴史を刻んでいくのです。
苦しい状況、厳しい状況に長く耐えている人は、それが刻まれていきます。
それはもうどうしようもないことです。
なので刻まれてしまったシワ、あなたの顔に刻まれた歴史を、
むやみに嫌ったり否定することは、人生を否定することにつながります。
刻まれたシワという現実に注目し、こだわるよりも、
その苦しい時期を乗り越えた今の自分を誇り、肯定すること。
それが大事ではないかと思うようになりました。
しかしそうは言っても、女性にとってシワというものは、歓迎されざるもの。
やはり少ないに越したことはありません。(笑)。
感情の処理の仕方に気をつけ、
ネガティブな感情に長く浸らないようにすること。
そういうことも大事かもしれませんね。
それに人にはそれぞれ、表情のクセというものがあります。
私のこの眉間のシワも、原因の半分は目を細めて遠くを見るという、
無意識の表情のクセで刻まれてしまったのだと思います。
あなたも無意識に眉間にシワを寄せていたり、
口元がへの字になったりしていませんかっ?
あと寝ジワにも注意です。
…そう、寝ている間につくシワ。
人間は1日の時間のうち、1/3は寝ている訳ですから、
寝ている時の表情もしっかりとプレスされます。
横向きに寝る人も注意ですね。
…って、そんなこと言われても、
寝ている時の顔や寝相までコントロールできませんっ!
ハイ、ごもっとも。
なので、寝ジワが気になる方は、朝起きたらシワを伸ばしましょう。
あの美輪明宏様は、そんな寝ジワを伸ばすべく、
毎朝マッサージをされているそうですよ。
そう、髪の寝グセだけではなく、顔の寝グセも直すのです。
という訳で、今回はシワについて、とりとめもなく語ってみました。
私も過度にシワを怖れることなく、
これからも思いきり泣いたり笑ったりしながら、
人生を楽しんでいきたいですね。
最近は、刺す美容液、なんていうのもあるのですね。
試してみようかしらん。(笑)
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